あの生徒がまた数式を持ってきた。
今回の式は今までのものとは違った。見た瞬間に、ただの数遊びではないという感じがした。よく作ったなこんな問題。もともと数学は得意な生徒だったから、まあできなくはない…のか?必死につくったんだろうな。
\[ S = \sum_{m=0}^{\infty} \frac{(-1)^m}{(2m+1)!} \left( \sum_{k=0}^{\infty}\frac{1}{k!} \right)^{2m+1} \]
\[ a_n = \left\lfloor 9^n S \right\rfloor - 9\left\lfloor 9^{n-1} S \right\rfloor \] のとき \[ \sum_{n=1}^{\infty}\frac{a_n}{10^n} \]
解けるか?と言われたらまあ解けます。というか、今回の式は今までで一番簡単かも、数学のレベル的には一番高度だけど、これは紙とペンがあれば意味はすぐに理解できる。解いてみると、ある値に収束する。その値が、前に渡された式の値とはまた微妙に違う。
彼が作る数式には明らかに意図がある。これは間違いない。ただの思いつきで作った式ではない。どこかへ向かっている。何かを指し示している。その確信のような感覚がある。