突然ですが、数学の世界にはいくつか「有名な数」があります。円周率πとか、虚数単位iとか、聞いたことありますよね。今日はその中から、このブログを読むうえで特に重要な数を紹介します。
π(パイ) まずはおなじみのπから。3.14159265…と続く、あの数です。 円の周の長さ÷直径、で定義される数ですね。どんな大きさの円でも、この割り算をすると必ずπになります。不思議ですよね。…待てよ?割り算という表現は適切ではないですかね。割り算で表せないのが無理数ですからね。直径と円周の比、とさせてください。 πは無理数といって、分数では表せません。小数点以下が永遠に続いて、しかも規則性がない。何兆桁計算しても終わりません。
i(虚数単位) 「2乗すると−1になる数」です。 そんな数、存在するの?と思いますよね。実際、普通の数の範囲では存在しません。でも「あったらどうなるか」を考えてみたら、数学がものすごく便利になった。それがiです。 このブログではiの詳しい話はしませんが、後で少しだけ登場します。
e(ネイピア数)
さて、本命です。
eは2.71828182845904…と続く数です。πと同じく無理数で、小数点以下は永遠に続きます。
「πは円から来た数だって分かるけど、eって何から来たの?」
良い質問です。eはこんな式から生まれました。
\[
1 + \frac{1}{1} + \frac{1}{2} + \frac{1}{6} + \frac{1}{24} + \frac{1}{120} + \cdots
\]
分母をよく見てください。1、1、2、6、24、120…。
1、1×2、1×2×3、1×2×3×4、1×2×3×4×5…ですね。これを「階乗」と言って、たとえば「5の階乗」は5! = 120と書きます。
つまりさっきの式はこう書けます。
\[
\frac{1}{0!} + \frac{1}{1!} + \frac{1}{2!} + \frac{1}{3!} + \frac{1}{4!} + \frac{1}{5!} + \cdots
\]
これを実際に足していってみましょう。
1項目まで:1
2項目まで:2
3項目まで:2.5
4項目まで:2.666…
5項目まで:2.708…
6項目まで:2.716…
7項目まで:2.71805…
足すほどに、ある一つの値に近づいていきます。その値がeです。
無限に足し続けると、ぴったりe = 2.71828…になります。
「なんでそんな式が出てくるの?」という話は微積分の領域に入るので今回は省きますが、重要なのはeが「何となく決めた数」ではなく、こういう自然な計算から勝手に現れてくる数だということです。πと同じように、人間が作ったのではなく、数学の中にもともと潜んでいた数、という感じがしませんか。
オイラーの等式 最後に一つだけ。 \(e^{i\pi} + 1 = 0\) この式、π・e・i・1・0という数学界の有名どころが全員集合しています。これをオイラーの等式といって、「数学で最も美しい式」とよく言われます。なぜこうなるのかは、また別の機会に。 このブログのNo.019でも触れています。気になった方はどうぞ。